中高生のむし歯予防
中学生や高校生になると成長が加速し、思春期特有のホルモンバランスの変化や生活環境の変化に伴い、むし歯やお口のトラブルが増えることがあります。
この時期にしっかりとした予防対策を講じることで、健康なお口を保つ基盤を築くことができます。
思春期とホルモンバランス
中・高生の時期は、思春期によるホルモンバランスの変化が起こる大切な時期です。
この変化が全身だけでなくお口の健康にも影響を与えることをご存じですか?
特に、女性ホルモンの分泌量が増えることで歯茎が敏感になり、炎症を起こしやすくなる場合があります。
さらにストレスや生活習慣の変化によって、唾液の分泌量が減少することもトラブルの原因になることがあります。
思春期のお口トラブル
中・高生時期に多いお口のトラブルには、次のようなものがあります
むし歯:学校生活や部活動の忙しさから、歯みがきが疎かになりがちです。
歯肉炎:歯茎の腫れや出血は、思春期特有のホルモンの影響で悪化することがあります。
口臭:唾液の分泌量が減少すると、口腔内の自浄作用が低下し口臭が強くなることがあります。
顎関節症:成長期の顎への負担が増えることで、顎関節に痛みや音が生じることがあります。
お口トラブルの原因
思春期の中・高生が抱えるお口のトラブルには、いくつかの共通した原因があります。
生活習慣の乱れ
塾や部活動、受験勉強など、生活リズムが大きく変わります。
不規則な生活や食事、間食の回数が増えること、また保護者の目が届きにくくなることでむし歯のリスクが高まります。
ホルモンバランス
身体が大人に近づくため、ホルモンが一気に増加します。
特に女性は、ホルモンの増加が歯茎に影響を与え、炎症や歯肉炎が起こりやすくなります。
唾液の減少
思春期はストレスを感じることが多くなります。
ストレスや睡眠不足により唾液の分泌が減少すると、むし歯菌や歯周病菌が増えやすくなります。また口臭の原因にもなります。
口呼吸
口呼吸による口内の乾燥は、細菌の繁殖を助長し、むし歯や歯肉炎の原因となります。
お口トラブルへの対策
お口のトラブルを予防するために、次のポイントを意識しましょう
野菜やたんぱく質を中心とした食事
ジュースやスポーツドリンクなど糖分の多い飲み物やお菓子を控える
よく噛む
歯みがきをしっかりする
口呼吸をしない
適度な運動
十分な睡眠
定期的な歯科検診
マウスガードについて
運動部に所属する中・高生は、スポーツ中の歯のケガを防ぐためにマウスガードを装着することをおすすめします。
特に、ラグビーやサッカー、バスケットボールなど接触が多いスポーツでは歯や顎へのダメージを最小限に抑えることができます。
親知らず
中学生の後半になると、親知らずが少しずつ生え始めることがあります。
親知らずは必ずしも抜く必要はない歯ですが、正しい位置に生えない場合、トラブルを引き起こすことがあります。
歯科医院による早めの診断が重要です。
歯ブラシが届きにくいため、みがき残しが多くむし歯になりやすい
曲がって生えたり、横に生えていると痛みや歯並びの乱れを起こすことがある
知覚過敏と顎関節症
知覚過敏や顎関節症の症状が現れる場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。
これらの問題は成長期に発生しやすく、放置すると長期的な影響を及ぼすことがあります。
知覚過敏:冷たいものを食べたり、歯ブラシをあてた時に歯がしみる
顎関節症:物を噛んだり、口を開け閉めしたときにアゴに痛みや違和感がある
受験勉強や就職活動・・・その前に!
中・高生は受験勉強などで忙しくなりがちですが、忙しい時こそお口のケアを怠らないことが大切です。
歯の痛みや違和感を放置する事で、集中力が欠けることもあります。
また、睡眠不足やストレスによる唾液の減少によって、よりお口のトラブルが起こりやすくなります。
適度な休息と水分補給を心がけ、早めに歯科医院へ行きましょう。
歯科離れしやすい世代だからこそ
中・高生は子どもの頃に比べて歯科医院を訪れる機会が減りがちな世代です。
しかし、むし歯や歯肉炎が進行しやすい時期でもあるため、定期的な検診やクリーニングが必要です。
大人になっても健康な歯を保つために、今のケアが未来を左右します。
中・高生のお子さまのむし歯予防は、健康な永久歯を守るための大切な第一歩です。
思春期特有のトラブルに気を配りながら、定期検診や適切なケアを続けましょう。
当院では、お子さまの成長を見守りながら、最適なアドバイスとケアを提供しています。